人生とは塞翁が馬
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今も引きずっている挫折はありますか?
今まさに失敗して、苦しんでいませんか?
20年そこそこ生きていれば、誰にでも一つや二つはあるでしょう。
例えば、次のようなことです。
- ・志望大学ではなく、滑り止めの大学に入学してしまった。
- ・難関資格に挑戦したが、合格しなかった。
- ・有名企業ではなく、無名な企業からしか内定を得られなかった。
きっと他にもたくさんあることでしょう。
長い人生です。失敗や挫折を避けることはできません。
しかし、いつまで経っても気持ちの整理がつかないまま、過去の挫折に苦しんでいるとしたら、それはいささか問題です。失敗や挫折に対する考え方を変えたほうがいいかもしれません。
そこで、先人たちの人生から学ぶことにしましょう。
著名人に学ぶ人生訓
世間では成功したと思われている人も、若い頃には意外な挫折経験があるものです。
例えば、ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さん[1]。
小柴さんは少年時代、将来は軍人か音楽家になろうと思い準備を進めていました。ところが、陸軍幼年学校の受験一ヶ月前に小児まひを患い受験を断念。後遺症のため、軍人も音楽家もあきらめるほかありませんでした。
しかし、持ち前のユーモアと行動力で自ら道を開き、遂にはノーベル物理学賞を受賞するに至りました。
例えば、京セラ、KDDIという世界的企業を創業した稲盛和夫さん[2]。稲盛さんの人生もなかなか壮絶でした。
最初の挫折は中学受験の失敗。その直後、結核に冒されます。当時の結核は不治の病でした。
幸い結核は治癒したものの、大学受験でも第一志望は不合格。しかも、進学した鹿児島大学は地方の新設大学ということで、就職活動では門前払い。
そのような辛酸を舐めた稲盛さんは、いっそヤクザにでもなろうかと思うほど追い詰めらました。なんとか京都のメーカーに入社したものの、そこはいつ倒産するかもわからない零細会社。
稲盛さんはそこから這い上がって、日本を代表する経営者となりました。
挫折だけで人生を終わらせなかった人々は、小柴昌俊さんや稲盛和夫さんの他にも、探せばたくさんいるはずです。
人間万時塞翁が馬
ここで、「塞翁が馬」という故事を思い出してください。「塞翁が馬」とは、長い人生の中では、何が吉となり、何が凶となるかは予測できないことです。
もし、小柴さんが小児まひにかからず軍人の道を歩んでいたら、物理学での成功はなかったでしょう。小児まひを患った当時は「凶」に思えたことも、長い目で見ると「吉」だったのかもしれません。
稲盛さんも同様です。もし、稲盛さんが順風満帆な青春時代を過ごしたとしたら、京セラもKDDIも生まれなかったでしょう。稲盛さん自身も、大物経営者となることはなかったかもしれません。
長い目で見たら、いまの時点でそれが成功か失敗か判断はできません。
- ・滑り止めの大学に入学したことは、長い目で見て本当に失敗でしょうか?
- ・難関資格に合格できなかったことは、長い目で見て本当に取り返しがつかないことでしょうか?
- ・有名企業に入社できなかったことは、長い目で見て本当に挫折でしょうか?
それが成功か、それとも失敗か、いまの時点で分かるわけがありません。むしろ、これからどう行動するかにかかっているのではないでしょうか?
だから、挫折経験はひとまず脇において、自分が「今」できることに集中しましょう!
過去は変えられなくても、未来は自分の手で創ることができます。その未来とは、今この瞬間からの積み重ねだからです!
「今日」を一生懸命生きているうちに、過去の挫折なんか取るに足らないことに思えてくるかもしれません。
- [1]小柴 昌俊
- (こしばまさとし 1926 - ) 物理学者。2002年「天体物理学とくに宇宙ニュートリノの検出に対するパイオニア的貢献」によりノーベル物理学賞受賞。『やれば、できる。』、『ニュートリノ天体物理学入門』など。
- [2]稲盛 和夫
- (いなもりかずお 1926 - ) 実業家。京セラ、第二電電(現KDDI)を創業。『生き方』、『稲盛和夫の実学』、『アメーバ経営』など。
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(おわり)
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