焦らず今この瞬間に集中する
ver. 1.00
同世代の活躍に焦りを覚える
20歳くらいになると、同年代で活躍する人が増えてきます。
- ・日の丸を背負って戦うアスリート。
- ・スポットライトを浴びる歌手や芸能人。
- ・難関資格に現役合格する大学生。
日本中の観客を熱くする高校野球に至っては、球児全員がすでに年下です! この事実には誰もが驚愕します。
それに比べて、自分は大学に入学しただけで、まだ何も成し遂げていない。この彼我(ひが)の差は何なのだろう? 自分はこのままでいいのだろうか?
このような焦りを覚える学生も少なくないでしょう。
人には固有の周期と時機がある
しかし、焦る必要はありません! なぜなら、人にはそれぞれに固有の周期があり、また、それぞれに固有の時機あるからです。
人生のもっとも輝かしい時代が、速いか遅いかの違いだけであり、どちらが良いとか悪いとかではありません。若くして成功を収める人もいれば、人生の晩年に成功を掴む人もいます。
司馬遼太郎が描く竜馬[1]も、行くべき道を決めたのは28歳(数え年)でした。同年代の幕末志士たちはとっくに国事に奔走していたのに、竜馬は28歳でやっと一歩を踏み出したに過ぎませんでした。
当時は人生50年の時代です。その時代にあって、28歳で一歩を踏み出すのはかなり遅い部類であり、当の竜馬も焦っていました。
ところが、勝海舟との出会いが竜馬の人生を決め、一気に歴史の表舞台へと躍り出たことはご存知の通りです。
人生には人それぞれに固有の周期があり、人間の意志ではどうにもならない時機があります。だから、自分がまだ何者にもなっていないからといって、焦る必要はありません。
焦らず目の前のことに集中する
焦りに突き動かされて無闇に何かを始めるのは、うまいやり方とはいえません。焦りから生じた動機では、早晩憔悴してしまうだけでしょう。
これといって打ち込んでいるものがないのなら、まずは今に集中してみてください。つまり、いま目の前にある課題をしっかりこなしてみましょう。
それは、明日提出期限のレポートかもしれません。来週の試験に備えて勉強することかもしれません。サークル活動かもしれないし、アルバイトかもしれません。
とにかく、余計なことは考えずに、目の前のことに集中してみましょう。
それでもピンとこなければ、少しずつ新しいことを始めてみましょう。新しい趣味や新しい課外活動など、自分が興味を持てることなら何でもかまいません。
そうやって少しずつでも自分の可能性を広げていけば、いつかは「これだ!」というものが見つかります。もし見つからなくても、幅広い知見を得ることができます。どちらに転んでも儲けものです。
だから、他人の成功などは気にせずに、目の前の「いま」に集中してみましょう。そうすれば、いつかは「これだ!」と思えるものが見つかります!
- [1]坂本 龍馬
- (1836 - 1867) 幕末に活躍した武士。土佐郷士に生まれ、脱藩したのち、倒幕および明治維新に影響を与えた。司馬遼太郎の代表作『竜馬がゆく』の主人公。作中において「龍馬」ではなく「竜馬」と表記されているのは、司馬がフィクションとして龍馬を描いたからとも言われている。
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(おわり)
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