若者に自己啓発が必要な理由

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大学受験にしても就職活動にても、若者は自己を高めることが求められます。努力して成長すること。これが、現代における大人への通過儀礼です。

ところが、自己研鑽に励む若者像というのは、200年ほどの歴史でしかありません。つまり、若者が将来を切り開くために、手探りで自己を磨かなければならなくなったのは、近代に入ってからということです。

自分の努力で自分の未来を切り開くべきという風潮。これを立身出世主義といいます。

 

近代社会の到来が若者を変えた

近代より前の封建時代においては、人生は生まれた家によってほとんど決まっていました。武士の子は武士となり、百姓の子は百姓となりました。そのため、人生の進路について悩む余地はなく、お手本は両親でした。

封建社会においても、若者は成長しなければなりませんでした。しかし、お手本は目の前にあったため、学ぶことは一本調子でした。また、師である両親や指南役はいつも傍にいて、叱咤激励してくれました。
 

ところが近代に入ると、職業選択の自由が広がり、自分の人生は自分で決めることを求められるようになりました。自分の両親は必ずしもお手本ではなくなり、どのように生きるべきかという答えのない問いに対して若者は悩みようになりました。

また、師となるような人物を見つけることも困難になりました。いかに生きるべきかが定まらなければ、師は見つけようがありません。また、流動性の高い近代社会では、師が傍らに立って励まし続けることも容易ではなくなりました。
 

こうして近代以降の若者は、手探りで人生の進路を自分で決め、そのお手本を自分で探すことが必要となりました。しかも、他者からの励ましは期待できません。つまり、職業選択の自由を得たことと引き換えに、人生を切り開くための苦労を自分一人で背負うことになったということです。

 

自己啓発書が近代以降の若者を励ました

自分を磨くことは容易ではありません。ときにくじけることもあります。しかし、近代社会では、叱咤激励してくれる師がいつも傍らにいてくれるとは限りません。

そのようなとき、西洋の若者が心の支えにしたのが『Self-Help』という本です。日本でも翻訳され、明治時代の大ベストセラーとなりました。その翻訳書こそ、歴史の教科書にも載っている『西国立志編』です。
 

今日でも自己啓発書が次々と出版されているのは、立身出世の風潮が形を変えて現代にも続いているからです。つまり、現代人は常に励ましを求めており、自己啓発書が今も売れ続けているのは歴史の必然というわけです。

 

大学時代に心の支えを見つけよう

自分を励ましてくれる存在を確保しておくことは、変化の激しい時代を生きる現代人にとって大切なことです。それは自己啓発書でもいいし、著名人の名言でもいいし、好きな歌詞でもいいし、自分で作った言葉でもいいでしょう。目標とする人物の写真も励みになります。

しかし、これらは即席で見つかるものではありません。そのため、手元に置いておくだけで勇気がわいてくるような心の支えを、学生のうちから意識的に集めておきましょう。

困難に遭遇したとき、それらがきっと勇気づけてくれます!

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(おわり) 

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