一流に触れて感性を磨こう!

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感性を磨かなければならない理由

多感な学生時代には、一流に触れて感性を磨きましょう!

大学に入ったら専門性を磨きたいという学生は少なくありません。社会に出たら専門性が役に立つと信じているからでしょう。

ところが、世に出て役に立つ専門性というのは、司法試験、公認会計士などの難関資格や一部の特殊な資格を指すのであって、それ以外の大半の資格は専門という名に値しません。

専門性を磨くという努力が凡庸な資格取得に向けられるとしたら、これほどもったいないことはありません。
 

しかも、専門知識は時代ともに陳腐化します。

文系理系を問わず、多くの専門知識や熟練技能は、コンピュータや機械に取って代わられました。発展途上国の労働者に奪われた仕事も少なくありません。進歩がますます加速する科学技術の分野では、最先端の知見がわずか数年で死知識[1]と化すことも珍しくありません。
 

しかし、感性は陳腐化しません。

感性はその人独自の人間的な魅力、つまり、個性です。唯一無二であり、代替はできません。そのため、就職活動でも競争力を発揮します。内定の最後の決め手は、結局、その人の魅力だからです。
 

また、専門性を高めることは、大学を卒業した後からでも可能です。むしろ、大学を卒業した後で学ぶことのほうが多いくらいです。

しかし、感性を磨くことは、まさに大学時代の今こそが最適です。時間があり、多感である若い時分でなければ、磨けない感性というものがあるからです。
 

専門知識の習得も大いに結構です。それと同じくらい熱心に、感性を磨くことにも意識を向けましょう!

 

感性を磨くためには、一流に触れるのが一番!

感性を磨くためには、とにかく一流に触れてみることです。しかし、その一流の基準とは、いったい何でしょうか?

一言でいえば、魂を揺さぶられること。それが一流の基準です! 当然ながら、魂を揺さぶられる基準は人によって異なります。その違いが、個性を育(はぐく)んでいくことになります。

そのため、実際に自分で触れてみて、魂を揺さぶられてみなければ、自分にとっての一流の基準は分かりません。そこで手始めに、世間で一流と認められているものに片っ端から触れてみてください
 

例えば、映画なら歴代のアカデミー賞受賞作品をひたすら鑑賞してみましょう。大衆音楽ならビートルズやマイケル・ジャクソンをはじめ、時代を築いた音楽を聴いてみましょう。クラシック音楽や伝統芸能は、ぜひライブで鑑賞してみましょう。著名人の講演会にも行ってみましょう。

長期休暇には、文豪の文学作品に没頭してみましょう。世界遺産をめぐる旅をしてみましょう。熱狂的なファンに支持されている漫画やアニメに浸かってみましょう。

このようにして、一流のシャワーをたくさん浴びて、魂を揺さぶられる体験をしてみてください!

 

世間で一流と認められているものだけでも、すでに数え切れないほど存在します。しかし、それらを消化する時間はあまり残されていません。凡作に溺れている暇はないのです。

だから、今すぐ一流に触れる機会を確保してください!

[1]死知識
事実や思想、理論、イメージ、理解など、かつては正しかったがいまでは変化に対応できなくなっているか、もっと正確だとされる新しい説によって時代遅れになった知識。今日の社会は変化が加速しているため、知識が死知識となるペースも速まっているとアルビン・トフラーは指摘している(『富の未来 上』 講談社 p.214)。

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(おわり) 

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