就活生にとって自己分析は必須か?

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就職活動といえば、最初に思いつくのが自己分析でしょう。

ところが、自己分析の必要性が叫ばれだしたのは1990年代に入ってからでした。実は自己分析の歴史は浅く、それ以前の大学生は自己分析などしていませんでした。

今でこそ当たり前に語られる自己分析ですが、就職活動に自己分析はそもそも必要なのでしょうか?

 

自己分析は内定のためだけではない!

自己分析に対する疑問の声は少なくありません。

就職活動を終えてみて、自己分析は意味がなかったと感想を洩らす内定者もいます。また、今日でも緻密な自己分析などせず一流企業から内定を得る学生だっています。

つまり、自己分析は、就活生の誰もが強制的にやらなければいけない通過儀礼ではありません。周りの友人がみんな自己分析をやっているから、自分もやらなければと不安になって始めたという就活生が大多数でしょう。

 

それでは、自己分析はやらなくてもいいのか?

いいえ、それでも自己分析に取り組むことをおすすめします。しかしそれは、たかだか内定を得るという目的のためではなく、自分が望む人生を生きるためにです!
 

現代の企業幹部にも根強い人気がある兵法書『孫子』には、有名な一説があります。

彼れを知り己れを知らば、百戦して殆うからず。

(かれをしり おのれをしらば、ひゃくせんしてあやうからず。)

『孫子』 謀攻篇

 
いくら業界事情や企業を調べてみても、自分がどのような人間か知らなければ、有効な戦略は立てられません。自分を知ることなしに就職活動に臨めば、無意識のうちに採用担当者に媚びてしまったり、企業の望む姿に自分を合わせるしかありません。

ところが皮肉なことに、そのような主体性のない就活生は、ますます内定が遠のいていきます。優良企業であるほど、自分の中に軸を持つ学生を求めているからです。

 

また、P.F.ドラッカー[1]は次のように述べています。

誰でも、自分の強みについてはよくわかっていると思っている。だが、たいていは間違っている。

P.F.ドラッカー 『プロフェッショナルの条件』 ダイヤモンド社 2000年 p.112

 
だからこそ自分自身を知らなければなりません! 自分の強みを知ることなしに良い仕事はできないからです。

 

長い人生の尺から俯瞰すれば、内定を得ることなど瑣末な問題です。

大学を卒業すれば、何十年も続く職業人としての人生が待っています。そのときに拠り所になるのは、自分自身に対する深い理解です。

だから、内定のだめだけでなく、よりよく生きるための指針作りとして、自己分析に取り組みましょう!

[1]P.F.ドラッカー
( 1909 - 2005 ) 経営学者。「マネジメント」の発明者といわれており、組織論に多大な影響を与えた。多数の著書があり、日本では『マネジメント』や『プロフェッショナルの条件』が人気。

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(おわり) 

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