選考基準として企業が重視すること
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採用にあたって、企業は何を重視しているのでしょう? 一方の大学生は、何が重視されていると思い込んでいるのでしょう?
次のグラフは、企業が選考基準として重視したことと、学生が面接でアピールしたことです[1]。
企業が重視したことで、他の項目に大きく差をつけた上位3つは、次の通りでした。
- 1位-人柄(89.6%)
- 2位-会社への熱意(78.7%)
- 3位-今後の可能性(74.2%)
当たり前の結果ですが、就職活動中の大学生はなかなか理解できないようです。企業は、大学名、資格、語学力などではなく、なぜ「人柄」を重視するのでしょうか?
こう考えてみると分かりやすいでしょう。もし自分が経営者だとしたら、どんな学生を採用したいと思うでしょう?
- 偏差値の高い学生でしょうか?
- 他の人にはない経験をしてきた学生でしょうか?
- TOEICのスコアが高い学生でしょうか?
確かに魅力的な要素ではあります。しかし、それらよりもっと大切なことがあるはずです。
学生をいったん採用すると、企業にとっては何十年も一緒に働く仲間となります。一日の大半を同じ空間で過ごし、四六時中顔をあわせることになります。
どれだけ頭が良くて、どれだけ珍しい体験をしていて、どれだけ仕事ができても、職場の空気を険悪にする人とは働きたくありません。誰だって気持ちよく働きたいと願っています。
だから、「人柄」の良さは、仕事できるできないという以前に、仕事をするうえで何よりも大事というわけです。
もちろん、仕事ができなくても、人柄さえ良ければ内定を出すという意味ではありません。企業は、人柄が良好で、かつ、仕事もできる人間であって欲しいと考えています。
ただし、仕事の関しては、企業が入社後に育てることは可能です。「人柄」の次に「会社への熱意」(第2位)や「今後の可能性」(第3位)が重視されているのは、そういう意味です。熱意があり、今後の可能性が見込めれば、仕事ができる人に育つ可能性は高いと企業は考えています。
「会社への熱意」や「今後の可能性」は、個別に独立して重視されているわけではありません。あくまで「人柄」の良さという土台があり、そのうえで、「会社への熱意」や「今後の可能性」を企業は期待しています。
こうして考えてみると、日々の学生生活が就職活動の鍵を握っていることに気がつきます。
- 友人や先輩・後輩など、周りの人に不埒なことをしていませんか?
- 大学生活の中で、熱意を持って能動的に取り組んでいることはありますか?
そうした日々の積み重ねが、実は、就職活動のときに無意識のうちに現われてしまいます。
「経験」それ自体を語ろうとする大学生に対して、企業は「経験」を通して垣間見える「人柄」と「今後の可能性」に注目しています。アルバイト、サークル、資格取得などのエピソードは、自分がどのような人物かを知ってもらうための材料に過ぎないことを忘れてはいけません!
- [1](出所)リクルート「就職ジャーナル」 2006年3月 pp.14-15
- 【調査概要】
就職ジャーナル編集部編
「2007年度新卒入社者の採用に関するアンケート」
調査対象:全国の主要企業4493社/集計サンプル数891社
就職ジャーナル編集部編
「就職活動に関するアンケート」
全国4年制大学生男女(2006年卒業予定者)17371名/集計サンプル数1691名
*アンケート実施期間2005年9月中旬~10月上旬
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(おわり)
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