旅をしないと人は成長できないか?

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  • 「学生時代には旅へ出て、自分と向き合うことが大切!」
  • 「アジアを一人旅すれば人生観が変わる!」
  • 「勉強ばかりしているようでは器の大きな大人にはなれない!」

このようなアドバイスが、世間ではまことしやかにささやかれています。こうした言説は、洋の東西を問わず流布されているようです。

しかし、これらを言い訳にして、目の前の困難から逃げることはおすすめできません。

 

現実逃避の言い訳になっていないか?

現実逃避の旅を諌める文章として、次のようなものがあります。

たしかにそれ(=世界中を無銭旅行すること)がすばらしく思われることもある。しかし私の個人的な意見では、そのような旅行を考えている学生のほとんどは怠け者である。

キングスレイ・ウォード 『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』 新潮文庫 1994年 第2通

この文章を意訳すると、目の前のやるべきことをコツコツやることのほうが、貧乏旅行よりもはるかに尊く価値があるということでしょう。
 

また、中谷彰宏さんは次のようにアドバイスします。

海外旅行をして知る、世界の広さもあります。
できるだけ早いうちに、海外にも行って下さい。

(中略)

最近では、海外旅行をしたことのない大学生は、少なくなりました。
ほとんどの学生が、海外旅行を経験しています。
ところが、内面の旅行をしたことのない大学生は、大勢います。
ぜひ、内面への旅行をして下さい。
そのためには、1人になる時間を持つことです。

中谷彰宏 『大学時代しなければならない50のこと』 PHP文庫 2000年

中谷さんは旅へ出ることを肯定しつつも、それ以上に内面的な成長を推奨しています。

 

旅でしか学べないことはあるか?

旅を通して学べることもあります。しかし、旅をすること以外にも学ぶ方法はいくらでもあります。

特に内面の成長は、旅に出たからといって得られるわけではありません。むしろ、日々の困難に対処する中で培われるものです。
 

だから、旅に出なければ成長できないと焦ったり、卑下する必要はまったくありません。自分を成長させる方法は、旅以外にいくらでもあるからです。旅は選択肢の一つにすぎません。

旅に出ることを無条件に称える人は少なくありませんが、くれぐれも鵜呑みにしてはいけません。
 

何もかも忘れて、今は旅に出ることが大切か? それとも、今はあえて踏みとどまって、目の前の課題に取り組むことが大切か?

いま何をすべきかを慎重に考えて、自分が納得できる選択肢を選びましょう。

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(おわり) 

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